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風呂はいたってシンプル。広い板張りの浴室には、雲井の湯源泉掛け流しの浴槽一つ。6℃の湧水を木桶に流しているパイプ、もう一つの源泉・龍宮の湯を高めの位置から落としているパイプがあるだけ。カランやシャワーは、ない。浴槽の下方で湯を浴槽から汲んで身体や髪を洗うレトロタイプの風呂だが、慣れない人は常備してある手桶等を工夫して使ってみて。
温泉は適温。とろみがある笹濁りで細かく赤い湯花がチラチラする。湯は金気と粘土のような匂いがするが、飲泉すれば昆布ダシのような味でそれほど飲みにくくはない。打たせ湯(龍宮の湯)にあたり、冷たい湧水で火照りを冷ましながら広い湯船にじっくり浸かる。ギミックがない正統派の湯。ゆっくりと温泉に向き合うことができる。
肝心の夕飯と朝飯は、量が多くてびっくり。味は濃い目だが手作りで美味しい。岩魚のムニエルやキムチ味のおきりこみ、山菜てんぷら、地鶏ササミのフライなど、通常旅館で出されるステキな料理と違い地元の食材を使った家庭的で朴訥なメニュー。油断してついついお腹いっぱい食べてしまう。家族だけの少人数で切り盛りしていながら、あたたかいものを温かいうちに食べられるよう配膳に気を遣ってくれる。ちょっと油物が多いかもしれないので、ここではダイエットのことは忘れたほうがいい。
(04.5 会員No.0513) |